蚕で探究 その⑩【最終回】

周桑物語

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遊び心に端を発した「オオクワガタを大きくしてみんなを驚かせてやろう」という高校生たちの思いは、彼らの後輩たちによって「カイコで産業に貢献する」という野望へと成長したのでした。

今、産業としての養蚕業は衰退しています。多くの伝統産業が衰退しているように古い産業は廃れていく運命にあるのかもしれません。

しかし彼らは、「温故知新」という言葉があるように、 カイコ(古いもの)に、新しい可能性を感じることができたのです。

自分たちの研究が衰退している産業を救うだけでなく、バイオ新産業という最先端の分野に貢献できるかもしれないからです。

「イカの軟甲やシャコエビ、ワタリガニの殻というごみ」、「廃れ行く養蚕業の中で役割が終わったとされていたカイコ」というように、あらゆるものが探究対象になりうるという、探求者にとって当たり前であり大切な姿勢を、探究活動を通して実感し学びとりました。

そしてその後の彼らのキャリアにも影響を与えたことは言うまでもありません。

「探究する」とは、必ずしも当初の目的に帰着させなければならないものではなく、継続する中で方向性が変化することの方が多いです。

そして、あきらめずに継続できれば必ず結果は出ますし、納得いくものになります。

成功の秘訣はただ一つ「わくわくする」探究活動であるということなのです。

【蚕で探究Ⅰ おわり】