蚕で探究 その⑤
周桑物語
イカ軟甲製のコロイド状キトサンの調製を終えた高校生たちは、次に蚕の飼育について調べました。
飼育経験のない彼らは、まず専門家を訪ねることにしました。
愛媛県には、愛媛県農業試験場(現・愛媛県農林水産研究所)が北条市(現・松山市上難波甲)にあり、かつては蚕の研究施設もあり研究員の方がおられました。
また、西日本で唯一、蚕の卵や人工飼料を販売している愛媛蚕種株式会社があります。
このように、飼育に関して相談できる機関があったので、様々な情報を提供していただきました。
特に蚕の餌である桑の葉の供給をどうするかが問題であったのですが、愛媛蚕種㈱では桑の葉の成分をペースト状にした人工飼料が販売されており、それにイカ軟甲製のコロイド状キトサンを混ぜ合わせるだけで蚕が食べてくれるので実験がとてもスムーズに進むと考え、その方法を採用しました。
そして、愛媛県農業試験所の研究員の方に実験のことを相談すると、実験に適した蚕(芙・蓉×つくば・ね)の卵を提供していただきました。
この高校生たちは、偶然にも周りに養蚕の専門家がいてくれたことが、とてもラッキーなことであり、それは実は偶然ではなく必然であることにも後々気づくことになります。
探究には、有識者などからの支援が必要不可欠で、支援が得られるかどうかもテーマ選定の大きな条件であるといっても過言ではありません。
【蚕で探究 その⑥に続く】
※この物語はノンフィクションです。