107年間続いた周桑郡の記憶
2025年9月13日 09時00分

かつて「周桑郡」と呼ばれる地域がありました。1897年に誕生し、2004年に姿を消すまで、107年間ものあいだ人々に親しまれてきました。周桑郡ができる以前は、周敷郡と桑村郡が存在し、それらが合併して周桑郡となったそうです。
私たちが立つこの地は、まさに旧・周桑郡の中にあります。小松高校、東予高校、丹原高校はいずれも周桑郡にゆかりのある高校で、特に丹原高校は「周桑郡立周桑農蚕学校」と呼ばれていた時代もありました。
また、桑村郡には和紙の産地として知られる国安村があり、役場は桑村に置かれていました。国安村には30町余の桑畑が広がり、愛媛県でも有数の養蚕地帯だったと伝えられています。良質な桑の葉が豊かに採れることが、養蚕業の発展を支えていたのです。